春季講習2 ―三角形の内角、外角―

春季講習の報告その2。前回に確認した「対頂角・同位角・錯角」を利用して、三角形の性質を調べるのが今回の目的です。

まずは三角形を描き、分度器を使ってそれぞれの内角を測っていきます。鋭角三角形、鈍角三角形、直角三角形と三種類の内角の和を求めてみました。

どのような三角形でも内角の和が180度になることを確認すると、今度はそれを証明してみます。ここで前回習った「対頂角・同位角・錯角」の登場です。どのように平行線を一本引けば、三つの角を一つの直線に集められるでしょうか? 生徒はここでも二つの三角定規をくるくる回しながら考えています。そして一本の直線を引きました。うまく引けたら後は簡単、錯覚を利用すればOKです。

そして、もう一つ「外角の求め方」も証明してみましょう。ある一つの外角の大きさは「その外角と隣り合わない、二つの内角の和を求めればいい」という公式があります。これも平行線と錯角で証明してしまいましょう。

春季講習 1 ―対頂角・同位角・錯角―

春季講習は前半にそろばん練習を行い、後半は算数をします。参加者は新四年生で、テーマは角度でした。

まずは、角度の基本として、対頂角・同位角・錯角を学びます。授業は三角定規と分度器持参です。まず学ぶのは対頂角です。2本の先を交差させて引き、対頂角を実際に測って調べます。

次は同位角と錯角。これには平行線を引く必要があります。「どうやれば平行線が引けるかな?」 平行線を引く方法も自ら考えます。生徒の答えは、「一本線を引き、そこから5cm離れた点を2点取って結ぶ」というものでした。なかなかいい考え方です。けれど注意しなければいけない点があります。それは、一本目の先から垂直に5cm離れた点を二点取れるかどうかです。(垂直でなくても角度が同じならいいです)一つが垂直でも、もう一つが斜めだと平行にはなりません。

その後、三角定規を使って平行線を引く方法を伝えます。しかし、すぐに平行線をすんなりと引ける子はなかなかいません。生徒は二つの三角定規をくるくる回しながら考えています。

平行線が引けると同じ角度を同じ色で塗り、いくつかを分度器を当てて角度を測ります。


もちろん誤差が出るため、ピタッと一致するときもあれば、数度ずれるときもあります。それはご愛嬌。プラトンの言うイデアの世界でしか完全に一致することはないのですから…

この対頂角・同位角・錯角を使って、多角形の特徴を調べていきます。まず、次回は三角形の内角の和が180度であることから証明したいと思います。

読上げ暗算

3月に入り、一年生もずいぶん暗算ができるようになってきました。
一桁の暗算ができるだけでも、いろいろなアレンジができます。

例えば「3円なり、5円なり、7円では?」「15円」。このような暗算でも、「万」を付けて「3万円なり、5万円なり、7万円では?」とすることもできます。一年生の生徒たちは「万なんて無理!!」といった顔をしていますが、一人が「15万円」と答えます。

これを繰り返すと「な〜んだ。“万”を付けるだけ〜」ということが分かってきます。

数は「一対一対応」ができる世界から、数字という記号が生まれ、位取り記数法へと抽象化されていきます。
「“万”をつけるだけ」と言えた生徒は、位取り記数法の世界に足を入れたと言えます。

「“万”ができたら“億”を付けてみよう」というと「“無量大数”でやって!!」という声も返ってきます。まだまだ、位取り記数法の一歩にすぎませんが、数の世界にどんどん興味を持っていってほしいです。

4で割り切れる数を探せ2

「4で割り切れる数を探せ」も4年生以上のクラスになると、桁数も増え、おまけもつきます。それは、「36で割り切れる数も同時に探して」というもの。

8桁、9桁の数を36で割り切れるかを確かめるのは、いくら暗算が得意な生徒でも簡単にはいきません。
このように桁数が増えると、「できない」と、あきらめてしまう生徒も少なくありません。

知ってほしいのは、「そろばん・暗算の限界」。そして、「それを補うのは知識であり、思考」であるということ。

生徒に問います。「4のあとに、どうして36が登場してきたと思う?」「36を分解するとどうなる?」


36=4×9 なので、36で割り切れるためには、4でも9でも割り切れなければいけません。下二桁を見て「4で割り切れるか」どうかを判断する。その後、各位の和を求め「9で割り切れるか」どうかを判断する。その両方を満たしたものが「36で割り切れる数」つまり「36の倍数」となります。

そろばんができ、暗算ができる子なら、下二桁を見て、各位の和をチェックするぐらい一瞬です。「そろばん・暗算の限界」を感じることで、逆に「そろばんならではの能力」を活かせていけるように思います。

4で割り切れる数を探せ

今回は「4で割り切れる数を探せ」です。

今までと同じようにホワイトボードに数字を並べます。

この中から4で割り切れる数に丸をしていきます。
まず、4の段はすぐに見つかります。九九の範囲を超えても、暗算の得意な子は、指を動かして「4で割り切れる数」を見つけていきます。
ある程度まで見つかると、「じゃあ、割り切れない数には、割り切れない数にはバツ(×)をつけましょう」と提案します。今までと同じようにわり算をして「4で割り切れない数」にバツがついていきます。けれど、暗算しにくい大きな数が残り、行きづまります。

ここで発想の転換ができるかがポイントですが、多くの生徒はわり算ができないとあきらめてしまいます。

すると、一人の生徒が「あっそうか」とひらめき、奇数を選びます。面白いのは「ひらめく生徒」と「そろばんが得意な生徒」が同じでないところ。

このように数が減っていくと、最後は「下2桁だけを見て4で割り切れればいい」という、「4で割り切れる数の見分け方」を伝えます。そして、大きな数をこれに当てはめ、最後はそろばんで、実際に割ってみます。

「割れた!!」と返ってきたら、本日のそろばん練習がスタートします。